節税のパターンには4種類あります。
節税の方法には「4種類」あることをご存知ですか?
実は節税の種類を理解していなかったがために、節税をしたかずなのに、
手許にお金が残らず、資金繰りを悪化させてしまうケースがあるのです。
その「4種類」とは何でしょうか?
1.お金を出さずに、税金を減らす方法
2.お金を出さずに、税金を先送りする方法
3.お金を出して、税金を減らす方法
4.お金を出して、税金を先送りする方法
資金繰りへの影響を考慮すると、
節税対策の優先順位は、1番が最も高く、2番、3番、そして4番となります。
節税対策として有名な生命保険を使った節税であったり、家賃の1年分前払いといったものは、
パターン4に該当します。
パターン4の節税が多くなってくると、その分資金流出も大きくなるので、節税をした結果、
資金繰りが苦しくなることがあるので、注意しましょう。
節税対策を実行する時には、自分が選択しようとしている節税対策の種類が
どのパターンに該当するのか、理解した上で実行することが大切です。
例えば、こういう相談を受けることがあります。
中小企業が160万円以上の機械等を購入した場合に、「税額控除」(税金そのものが減る制度)
又は「特別償却」(通常の減価償却費に加えてプラスアルファの減価償却ができる制度)という
税務上の特例のいずれかを選ぶことができます。
このときに、「どちらを選べばいいですか?」と聞かれることがよくあります。
減価償却費というのは、設備投資をして購入した金額は、支出時点で全額費用となるのではなく、
「減価償却費」としてその設備の利用可能な期間(法定耐用年数)に分けて費用とするものです。
この二つの節税は、共に国が認めた合法的な節税対策なのですが、実はその効果はまったく
異なるのです。
先ほどの4種類の節税パターンで考えてみると、
「税額控除」というのは、お金が出ることなく、税金そのものを減らすことができるので、
パターン1に該当します。
一方「特別償却」というのは、お金は出ないのですが、結果的にトータルでの減価償却費が増える
わけではなく、先に多く費用を計上できるという制度になります。
つまり、設備投資をした年の税負担は特別償却の方が有利になることもありますが、翌年以降は
減価償却費が減ることになるため、税負担が増えることになるのです。
この「特別償却」という制度は、税金を先送りにするものなのです。
ということは、「特別償却」はパターン2に該当することになります。
それでは、
この「税額控除」と「特別償却」はどういう基準で決めるのがいいのでしょうか?
トータルの税負担を引き下げるためには、まずは「税額控除」を選択するのが原則です。
しかし、今期は多額の利益が出ているが、来年以降の業績が不透明、あるいは下降が予測されるので、
今期の資金繰りを楽にしたいというのであれば、「特別償却」を選択する方が良いかもしれません。
ただし、結果論にはなってしまいますが、来年も黒字になり、「税額控除」を選択しておいた方が
良かったという会社が少なからず存在することも事実です。
こういうことを理解した上で、最初の判断をしましょう。
節税対策の目的は、より多くお金を会社に残すことで、資金の効率化を図ることです。
ただ、社長の中には、節税が目的化してしまう方もいます。
とにかく税金を払いたくない、その気持ちもわかります。
ですが会社を継続していく上で、過度な節税が結果的に自分の首を絞めることもある
ことを忘れないで欲しいと思います。