中小企業倒産防止共済への加入と節税
倒産防止共済とは、取引先の倒産の影響を受けることで、中小企業が連鎖倒産や
経営難に陥ることを防止するための共済制度です。
取引先が倒産してしまった場合に、積み立てた掛金の最大10倍までお金を
借りることができるのです。
ちなみに掛金は月額5,000円から200,000まで自由に設定することが
できます。そして掛金の限度額は800万円となっています。
ここで一つ例を考えてみましょう。
例えば、月額10万円ずつ3年間積み立てたとします。
そうすると、積立金は3年後360万円になっています。
この時に、もし取引先が倒産や不渡りを起こした場合には、360万円の10倍
である3,600万円までお金を借りることができるのです。
更にこの共済制度には、「節税」というメリットが付加されています。
具体的なメリットとしては、まず掛金の全額を経費として計上することができます。
そして、その掛金は全額を積み立てる形態となっており、40ヶ月掛金を支払えば、
解約しても100%掛金が全額戻ってきます。
これは大きなメリットではないでしょうか。
また、生命保険などと同じように、決算月に1年分の掛金を前払いして経費とする
ことも可能になっています。
つまり、月額200,000×12ヶ月 = 240万円を経費として計上する
ことができます。
ただ、こういう心配をされる方もいるかもしれません。
「今年は業績が良かったけど、来年はどうなるかわからないし。
来年も240万円払えるか不安だな。」
ご安心下さい。
この倒産防止共済は、業績が苦しくなった場合などには掛金を途中で減額する
こともできるのです。
しかし、この倒産防止共済にも一つデメリットがあります。
それは、「掛金に上限額がある」ということです。
すなわち、節税額にも上限があるということになります。
もしまだ加入しておらず、何か節税対策を考えられているのであれば、
おすすめの節税対策の一つです。
この節税対策を採用する場合には、注意点があります。
それは申告をする時に、
「特定の基金に対する負担金等の損金算入に関する明細書」(別表十(七))
という書類を添付しなければいけないということです。
この書類が添付されていないと、全額経費として認めてもらえなくなって
しまうので、必ず忘れないようにしましょう。
顧問税理士がこの書類の添付を忘れてしまうケースや、まれに知らなかった
というケースもありますので、注意するようにして下さい。