「特別償却」と「特別控除」の違いは?
一定の金額以上の設備投資を行った場合には、特別償却又は特別控除のどちらかを選択することができます。
選択する基準はどのように考えればいいのでしょうか。
まず、「特別償却」というのは、通常の減価償却費に加えて「特別償却」という別枠の減価償却費の計上を
認めてくれる制度のことです。
通常の減価償却費以上に償却費が計上できるため、早く設備に投資をした資金を回収することができる
というメリットがあります。
ただし、総額の減価償却費が増えるというわけではないので、勘違いしないようにしましょう。
一方、税額控除というのは、設備投資をした金額の一定割合の税額を控除するという制度です。
減価償却費としては、通常通りの計上額となりますが、設備投資をした金額の一定割合の税額を
法人税から差し引くことが可能です。
ただ、税額控除には法人税の20%を上限とするという制限があります。
結論としては、設備投資をした年の税負担は、「特別償却」の方が税額控除よりも小さくすむことが多いと言えます。
トータルの税負担を引き下げるということであれば、「税額控除」を選択するのが原則となります。
まとめると、トータルの税負担の軽減が優先であれば「税額控除」、直近の資金繰りを優先するのであれば、
「特別償却」を選択することになるでしょう。